自邸だからこそ出来る試みも!?
HS DESIGNの自宅兼事務所を訪れてみた。

HS DESIGN(エイチエスデザイン)代表の城下秀樹さんは、2021年に自宅兼事務所を伏見に新築しました。
以前は拓北に自宅兼事務所がありましたが、そちらを手放し、今回自宅兼事務所を建てた経緯やこだわりのポイントなどをお伺いしました。

運営
まずは、自宅兼事務所を建てた経緯を教えてください。
以前の自宅兼事務所は立地の特性を生かしたようなお家で個人的にすごく好きだったので少し残念でした。
旧・HS DESIGN自宅兼事務所:変形の式に自然を眺める家
城下
実は、以前の自宅兼事務所は1階の居住スペースをオフィスにしていたので、娘の部屋が無かったんですよ。で、娘も高校生になって、やっぱりきちんと自分の部屋を持ちたいとなった時に、まず、自宅を増築しようかと計画したんですけど、敷地の形状の問題などでなかなかうまくいかずに、新築を検討する事にしました。
旧自宅兼事務所。たしかに、増築は大変そう。
旧自宅兼事務所。
運営
なるほど。今の土地に建て替えるという選択肢はなかったんですか?
城下
娘が高校生になるので、学校区をあまり気にしなくて良くなったのと、今の土地に建て替えると一時的に別の場所に暮らさなきゃいけなくなるし、デメリットの方が大きいので、別の土地で新築する事にしました。幸い、土地の価格が高騰していたり、家自体を気に入っていただいた事もあり、想定していたよりも良い評価で売却する事が出来ました。
運営
土地の価格ってここ数年本当高騰してますよね。転勤などで手放した際に売った金額でローン返しても数百万プラスになったとか、そういう話はちらほら聞きます。
では、なぜ伏見というエリアだったんですか?
城下
土地に関しては特にだわりはなかったんですけど、娘が高校に通うのにそこまで不自由がないエリアという事と、ロケーションと生活の便利さなどを考慮しながら、出ている土地で決めました。
運営
僕としては、伏見というと高級住宅街っていうイメージがあるので、HS DESIGNが高級路線にシフトチェンジしたというか、そういう印象を受けたんですが、実際どうなんですか?
城下
いや、全然そんなことないですよ(笑)。確かにそう思う方もいるかもしれませんが、それを気にして土地選びをしても仕方がないですし、実際に会ってお話すればHS DESIGNの家づくりを分かってもらえると思っていたのであまり意識はしていませんよ。
運営
まぁ、確かに会ってお話すれば、家づくりの考え方など伝えれますもんね。
じゃあ、自宅兼事務所について具体的にお話を聞いていきたいのですが、ずばり、今回の自宅兼事務所のこだわりのポイントを教えてください!
城下
まず景観が良いので、それを生かした設計(塔屋など)と、あとは自分は車が趣味なので、ガレージ部分にはこだわりましたね。
そして、今回は自邸という事もあって、実験的な試みも取り入れています。
塗り壁とガルバリウム一文字葺の外観。車が趣味という事で、ビルドインガレージにはかなりこだわった模様。
ガレージ。奥に見えるのが、事務所部分。
三階の塔屋からは、札幌の街が見下ろせる。
運営
実験的な試み!いいですね!そういうの好きです。
具体的に教えてください!
城下
例えば、暖房の配管が室内にめぐってあるんですが、2階の脱衣場所の床下に配管を巡らせ、簡易的な床暖房にしてみたり、事務所部分の床材を針葉樹合板(下地材)でさらに床暖にしてみたり、ですね。床暖は、床材が反るリスクもありますが、この針葉樹合板だと大丈夫なのでは、という試みですね。
また、2階から3階へ階段はモールテックスを使用した階段です。
これもHS DESIGNでは初の試みとなりますね。
簡易的な床暖房
三階への階段はモールテックス
運営
なるほど!僕、針葉樹合板を意匠的に入れている家、好きなんですよね~。
他に見てもらいたい、というかこだわったポイントはありますか?
城下
他は、造作のキッチンであったり、木製サッシであったり、薪ストーブなんかも取り入れましたので、そういった部分では、見どころはたくさんありますね。特に薪ストーブは、施主さんにはオススメしていましたけど、実際に生活の中で体感したことが無かったんですよ。
今回自邸に取り入れたことで、改めて薪ストーブの良さに気づく事が出来ました。
造作のキッチンに、背面収納はモールテックス仕上げ
薪ストーブは、初めて自邸に取り入れた
運営
HS DESIGNの家づくりの魅力が詰まった家になっているという事ですね!
城下
まぁ、そうですね(笑)。意匠的なものはHS DESIGNの家づくりのテイストというか、その時の面白そうな素材であったり、意匠を反映しているので、HS DESIGNってこういう家づくりしてるんだっていうのが分かってもらえるかと思います。
事務所部分。お客さまとの打ち合わせもここで行われる事も多い。
アクセントの塗り壁や天井に意匠として設けた木毛セメント、市松模様に配置した針葉樹合板の床など、この部屋だけでも見どころ満載である。
運営
ちなみに性能面はどうなんですか?
城下
今回は、耐震等級2、断熱等級(2地域)等級4(UA値0.28W/㎡.K)ですね。
HS DESIGNでは、性能をウリにしているわけではないので、そこまで数字を追い求めているわけではないのですが、だからと言って、性能をないがしろにしているわけでもありません。
デザインと性能でどれくらいのバランスを保てばよいのか、予算が無限であれば気にする必要はないのですが、ほとんどの方がご予算ありますので、意匠と性能のバランスを考えながらご提案しています。
運営
確かに。予算がある中でデザインと性能のバランスは本当難しいですよね。
城下
本当難しいですね。HS DESIGNの家づくりは、デザイン面でもこだわりというか、造作の建具であったり、巾木が無い空間だったり、色々と試行錯誤して美しい意匠を目指していたりはするので、そのこだわりは残しつつ、性能面もしっかり考えつつ、さらにご予算に合わせて、となると、今は特に土地価格も建築費も上がっているので本当悩ましいです。
運営
今の住宅業界は本当大変そうですよね。土地も建築費も高騰して、注文住宅を建てれる層が激減しているみたいですね。
城下
そうですね。よく”いくら位かかりますか?”とか、”坪単価はどれくらいですか?”とかお問い合わせの時に聞かれるんですが、やっぱり、5,6年前と比べると確実に上がってるので、その当時の価格帯を知っている身からすると非常にお伝えしにくいです(笑)。
運営
あ~、なんとなく想像できます。でも、業界内の人間はその価格の推移を見てきていますが、これから家を建てる人はこれから提示される金額が当たり前になっているのであまり気にする必要はなさそうですけどね。
話し戻しまして、自宅兼事務所のお話になるんですが、自宅兼事務所は内覧可能なんですか?
城下
もちろん可能ですよ。HS DESIGNは常設のモデルハウスはなく、完成見学会でしかHS DESIGNの家を見てもらう機会がないんですよ。なので自邸を見てもらう事でHS DESIGNの家づくりを知ってもらう良い機会になりますので、ぜひ!
運営
それは良いですね!直接、設計意図とか、納まりとか、今説明していただいたポイント的なものを実際に見ながら説明してもらえるわけですね?
城下
そうですね。子供部屋や主寝室など、見せれない部分はありますが、外観、事務所スペース、リビング・ダイニングなんかは見る事が出来ますので、写真で見るのも良いのですが、実際に見ていただいてどんな家づくりをしているのか、を体感してもらえたらと思います。

HS DESIGNは、代表の城下秀樹さんがお客さまとの出会いから、土地探しのご相談・設計・施工管理・お引き渡しそして、アフターまで一貫して行っている小規模工務店です。
造作建具、デザイン、細かな納まりなど、ディテールまで美しく魅せるための工夫は目を見張るものがあります。
また、城下さんの右腕でもある専属大工の糸岡棟梁も腕が非常に良く、施主さんに大人気。
良い意味でこだわりが強くなく、施主さんの想いに寄り添って、プランや仕様を決めていくので、楽しく家づくりが出来るのではないでしょうか。

HS DESIGN(エイチエスデザイン)https://hsdesign.co.jp/

代表の城下秀樹がお客さまとの出会いから、土地探しのご相談・設計・施工管理・お引き渡しそして、アフターまで一貫してすべて行っている。腕の良い専属大工とともに造る家は、シンプルで洗練された空間となっている。